blog 02
デザイナーの仕事ほどあやふやなものはない。
だからこそ見える、次のデザイナーのかたちとは?
私は今年でデザインの仕事に従事して15年になる。
経緯を簡単に説明すると、俗に言う4年制の普通大学を卒業し、1年間専門学校に通い、デザインの仕事をするなら東京だろうと無計画に東京で働き、大阪で働き、京都で働き、そして独立という流れ。
幸い所属していた全ての会社は、様々なツール(媒体)へのデザインアプローチをおこなう所ばかりだったので、できない状態の自分では会社にいても仕事が成立しないので、どんどんデザインを吸収・実践していきました。
今考えると「いろいろデザイン」という屋号で、その名の通り”いろいろなデザイン”にアプローチが可能なのも、この時の経験があるからです。ですがデザイナーとしてこのままでよいのか?という悩みもありました。それは、一つのツール(媒体を)を極めなくてよいのか?ということです。
しかしこの考えも、ある方とトークショウでご一緒した時の控え室で解決しました。
その方は佐藤卓さん。
印象的な話を2つ紹介すると、
・「いろいろデザイン」という名前はすごく良い。
・佐藤さん自身も様々なアプローチをしているが、本籍は「グラフィックデザイン」ということ。
この話をした後に私は「いろいろデザイン」という名前で活動する決心がつきました。
少し脱線しましたが、いろいろなデザインをするのは簡単なことではありません。勝手に力が身につく訳もなく、それなりの努力が必要だと考えています。私自身、それなりに努力はしていますし、常にこの努力は終わりません。
近頃は、デザインの解釈はとても広義になり、生活していてデザインという言葉が当たり前のように様々な媒体で使用されます。そして良くも悪くもデザインという概念が広がりを見せるのと呼応して、デザイナーの他ジャンルへのアプローチを良く目にします。
まあ正直に言うとよくそれでグラフィックデザインができるといいますよね。とか、それ以前にあなたデザイナーじゃないでしょ?という仕事もたくさん目にします。(もちろん全て心にとどめておりますw)
しかしこの辺がデザインの仕事の楽しい所(面白さ)でもあります。
もちろん良い仕事は「エンドユーザー」のためになる仕事ですが、実際、仕事の良し悪しのジャッジをするのは仕事を依頼してくれる「クライアント」です。
極論、クライアントが納得していれば良いのです。
言葉を変えるとクライアントが素人のデザイナーに仕事を頼んで、売上が上がり、うまくいけばそれでも良いということです。こんなあやふやな仕事は他の業界では考えれないかもですね。でもこれが現実だと思います。
専用ソフトがあれば誰でもデザイナーになれます。しかし長続きはしないのでいろいろなジャンルに手を出す。
最近の流れはこんな感じかな~と考えたりもしています。
私は別にこの流れを否定しているわけではなく、本籍・本職のデザイナーは頑張るのはもちろんですが、もっとクライアントに対してのアピールや自己発信もしないと、なんちゃってデザイナーに負けてしまうということです。
なんちゃってデザイナーは力がありません。ではなぜ仕事がとれるのか?
それは力が無い分、コミュニケーション能力であったり、情報という武器で戦っています。
そして今の本職のデザイナーにも同じく、この要素はとても大事な部分だと考えています。
だれでも簡単に自己発信できる世の中。
ただ作れるだけのデザイナーではなく、考えることができ、そして発信できる。
これが、これからの「次のデザイナーのかたち」のような気がします。